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読書記録を中心に日々の生活で考えたこと、思ったことを書き留めていこうと思います。

私の好きなもの

前田裕二さんの「メモの魔力」を読みました。

 

メモの魔力 -The Magic of Memos- (NewsPicks Book)

メモの魔力 -The Magic of Memos- (NewsPicks Book)

 

  私は教育学部出身。特に社会科教育を専門にして大学時代を過ごしました。この本を読んでいると、大学時代を、大学で習った内容を、とても思い出しました。メモの良さとして語られることと、授業研究の内容がシンクロしたのです。ただ、両者の間には違うこともあります。その辺をしっかり見極めようと考えてみました。

 

 

転用という視点

言うまでもなく、前田さんのメモで1番肝心かつ1番大切なのは、「転用」の部分だと思いました。

事実(ファクト)

(標語付け)

抽象化

転用

  という思考フレームを頭の中でなく、メモとして残していくことで、フル回転で考えることができる。また、メモなので、考えたことを忘れることなく残しておける。なるほどなあ!

 

 

  また、抽象化するにあたり、3つのパターンがあるとされている。what型、how型、why型である。

 

  実は、ここで私は1番懐かしくなった。大学時代、社会科の授業作りをすることも多かったのだが、その中で1番重きを置かれていたのが、この問いの形である。その中でも、whyと問うのが良しとされていた。メモの魔力で語られるそれと一緒ではないか。

 

  なぜwhyと問うのが1番いいかと言うと、whyの答えの中にhowの答えもwhatの答えも包括されているからである。

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  What型は一問一答のイメージ、how型は一問一問の答えを集めて結んで俯瞰しているイメージ、そしてwhy型は俯瞰した先にある真理を見つけ出すイメージ。

 

  例えば、トヨタについて考える時。「トヨタとは何か」と考えれば、「自動車会社である」という答えしか見つからないが、「トヨタはどのようにして発展したのか」と問えば、トヨタの歴史を紐解いていく必要がある。また、「なぜトヨタは発展することができたのか」と問えば、トヨタの発展のミソとなる中核をさまざまな事実から導き出さねばならない。

  だからこそwhy型が大事なのである。

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  つまり、メモの魔力で語られる「事実→抽象化」のフレームは、社会科の授業作りで語られる(私が大学時代に語られていた)手法と同じなのだ。しかも、抽象化の形(what,how,why)は、授業で子供たちへ行う問いの形と一緒なのである。教師が授業で子供たちに教える時、この思考フレームに沿っていたのか!いや沿わそうとしていたのか!と、一人で感動した。

 

  ただ、メモの魔力の思考フレームは一歩先に行っている。why型で物事の真理を自分なりに考えた結果、自分ならその事実をどう利用するかまで考えるのである。「分かった」で終わらせないのだ。

 

 

自分自身で見つけることの大切さ

  また、前田さんはあまり述べていなかったが、自分自身でファクトを見つけていくことがとても大事ではないかと感じた。

   もし、社会科の授業がメモの魔力で語られる思考と同じフレームでできていて、それを子どもたちみんなが享受しているなら、みんな事実→抽象化をするスキルを持つことができるはずだ。でもそうはならない。

  授業で扱う事実(ファクト)は教科書の中に書かれた、誰かが見つけてきたものであり、そこには「なんで?もっと考えてみよう」みたいなウェットな気持ちが乗っかりにくいからなのではないかと思う。

 

  他人を真似ることも大事。でも、自分で見つけたものを自分のやり方でつなぎ合わせることが出来たら、とてもかっこいいし、それが真のオリジナリティであろう。

 

 

好きの土台

  また、最近読んだ本の中で、たくさん出てくるのが、「好きを仕事にしよう」的な精神である。この本にも「オタクが最強」というトピックで書かれていた。曰く、

知識を得る中で研ぎ澄まされていった独自の「視点」こそが価値として定義され、消費されていくのです。

ミソは「知識を得る」だと思う。「好き」を突き詰めていくためには、「好き」の対象をじっくりと深めていき、それに伴いいろんなことを知っておく必要がある。知識がいる。

 

もとからいろんなことを知っている人は好きなものができたときに強いのではないか。土台として教養をバンっと持っていると好きに向かって走る時に有利だと思う。

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  この本を読んで考えたことはたくさんある。しかし、私はやっぱり教育が好きなのだなと実感できたのが1番の収穫かもしれない。

  ありがとうございました。

 

2020/01/20

 

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