非日常を味わう
木下大サーカスに行ってきた。
人生初めてのサーカス。
なんだかとても新鮮でした。
イオンモールの駐車場に建てられたテント。まずテントという時点でわくわくする。サーカスのイメージそのもの。
テントの外側にお店がずらり。ホワイトライオンのぬいぐるみからスタイまでサーカスグッズが並び、お菓子やポップコーン、ドリンクなどフードも持ち込みOKでたくさん売られている。象との記念撮影ブースまである。しかも800円と絶妙な値段設定。
サーカスといえば思い出したのは、小学校の時に国語の教科書に載っていた「サーカスのライオン」
なんだかもうあらすじも確かに覚えていなかったのだが、ライオンの勇敢な姿が頭によぎった。
サーカスにつきものの動物たち。木下大サーカスでもシマウマ、ライオン、象が登場した。やはり動物は見せ場。出てくるだけで迫力がある。そしてシマウマや象の衣装のサーカス感が、サーカスに来ていることに臨場感を与えてくれる。
今日のライオンはジンザのイメージからするとびっくりするくらい大人しかった。まるで猫のようにじゃれ合い、玉乗りを披露し、ポーズを披露し、仲間の上を飛び越える演技をする。ライオンを手懐けているすごさ、こんな近くにライオンが何頭もいるすごさがあった。けれど、炎の中に飛び込んでいくジンザのようなライオンの勇ましさはなかった。
そしてそれよりも大人になった私の胸を打ったのはパフォーマーの身体能力。紐一本で身体をしなやかに動かせる力、椅子をどんどん積み上げて逆立ちする様、息をのむ空中ブランコショー、鮮やかなジャグリングさばき、絶妙に笑わすピエロたち。プロの世界がそこにはあった。
頭をよぎったのは、この前読んだ「10年後の仕事図鑑」。
好きを突き詰めて仕事にする。好きなものと好きなものを掛け合わせて、代替不可能な価値を作る。
例として本の中でウサインボルト氏が挙げられていた。
100メートルをいかに速く走れるかは、実社会ではまったく役に立たないスキルだ。ボルトは、足が速いたいう、誰にも真似できないが、社会にとって不必要な仕事をしている。しかし、彼は世界中で人気があり、高収入だ。
このサーカスの団員だってそうではないか。
好きで好きでサーカスの演技を極めて、自分にしかできない技を習得し、楽しませる。
かっこよかった。
この本を読んでから、好きなものは何だろうと頭の隅でずっと考えている。興味があることはいろいろあるし、好きになりかけていることもいろいろある。でもそれを追求していない自分がいる。家事が育児が忙しいから、時間ができないからとあれこれ理由をつけて腰をあげない自分がいる。要は初めてみなければ変わらない。自分が大事にしている要素を洗い出し、つなぎ合わせ、してみたいと思うことに夢中になる。そんな生き方がかっこいいと思うし、したい。
サーカスを見に行っても頭の中にこんなことがよぎるとは「10年後の仕事図鑑」、考えさせられています。
深夜サイレンの音で起きた後に 2019/11/25